麻生区 はるひ野 若葉台 稲城市 婦人科専門医 いばらきレディースクリニック

215-0036

川崎市麻生区はるひ野4-4-1

はるひ野メディカルヴィレッジ C棟2F

症状から考えられる婦人科疾患

Ibaraki Ladies' Clinic

1)月経痛が強い、月経の量が多い

 月経痛が強いことを「月経困難症」、月経の量が多いことを「月経過多症」とよびます。

はっきりと原因がみつかる場合とみつからない場合がありますが、前者を「器質性」、後者を「機能性」とよびます。

 

 月経困難症や月経過多症をおこす疾患の代表は「子宮筋腫」や「子宮腺筋症」、「子宮内膜症」などです。

「子宮筋腫」は子宮の筋肉の中に「平滑筋腫」とよばれる良性腫瘍のコブが出来る病気です。「子宮腺筋症」は後に述べる「子宮内膜症」の一種で、「子宮の内膜細胞が子宮の筋肉の中で増殖して子宮が大きくなったり、コブが出来たりする病気」です。子宮筋腫と腺筋症は、症状も治療法もほとんど同じです。

「子宮内膜症」は「子宮の内膜細胞が子宮の内腔以外の場所(腹膜など)で増殖する病気」です。重症になると骨盤全体が癒着をおこして固まってしまいます。

こうした疾患の診断には、内診や超音波検査が有効です。またMRI検査を併用することでさらに正確な診断ができます。

 

子宮内膜症の診断には、腹腔鏡検査などが行われる場合もあります。

 筋腫や内膜症は、良性疾患であるため、小さくて症状もさほどないのなら治療せず経過観察をします。治療法には、原因疾患に対して薬物療法や手術療法を行う方法と、鎮痛薬の処方などで経過をみる方法とがあります。

 

 筋腫、腺筋症、内膜症に対しての薬物療法として、最もよく用いられているものは「Gn-RH作動薬」とよばれる薬を4〜6ヶ月間使用して半年ほど月経を止めてしまう方法(偽閉経療法)です。Gn-RH作動薬には毎日点鼻薬を使用する方法と、4週間に一度注射をする方法があります。子宮内膜症の患者さんにはGn-RH作動薬以外に低用量ピルやダナゾール、ジエノゲストという内服のホルモン剤も有効です。

 子宮筋腫の一般的な手術法は子宮全部を摘出する「単純子宮全摘術」ですが、出産のために子宮を温存する必要のある場合には筋腫のコブだけを摘出する「核出術」が行われます。ただし、核出術には術後の筋腫の再発や、術中の大量出血の可能性、次回妊娠まである程度の避妊期間(1年ほど)をまもる必要性、次回分娩時に帝王切開が必要になることが多いことなどのデメリットもあります。また筋腫のできている場所によっては核出操作が出来ない場合もあります。腺筋症ではこうした核出術は施行できません。肥厚した筋層を切除する特殊な手術を行うケースもありますが、原則的には単純子宮全摘術が基本手術になります。

 

 子宮を摘出する手術には、お腹を切らずに膣から子宮を取る「膣式子宮全摘術」という方法もあります。この手術は術後の回復が早く、お腹に傷が残らないというメリットがあります。筋腫や腺筋症の手術では安全で確実に膣式手術を行うために、腹腔鏡を併用して膣式子宮全摘をする方法(腹腔鏡下膣式子宮全摘術)もあります。最近は腹腔鏡を用いた筋腫核出術も行われるようになってきました。その他、子宮鏡という内視鏡を使って子宮の内側にできた筋腫のコブを削り取る特殊な手術(レゼクトスコープ)もあります。

 

なお、近年、筋腫に対して集束超音波をあてて、縮小させる方法(集束超音波治療=FUS)や、子宮の動脈に管を入れて、血管を塞ぐ薬を流し込んで血流を止めて筋腫を縮める方法(子宮動脈塞栓術=UAE)という特殊な治療なども、薬物療法や手術療法に代わる治療法として一部の施設で臨床応用されています。

子宮内膜症の手術には、子宮全摘術の他、内膜症の病巣だけを切除したり焼灼したりする方法などがあります。内膜症を完全に治してしまうためには子宮と卵巣を全部摘出してしまう方法もありますが、卵巣をすべて切除すると術後女性ホルモンの欠落が生じるため、健常部分は温存することが一般的です。内膜症の手術でも開腹手術の他に、腹腔鏡を使った手術があり、それぞれ患者さんの状態に合わせて選択されます。

 「機能性の月経困難症」は若年女性に多いものです。これは、妊娠出産を経ることによって改善することが多いため、鎮痛薬などの対症療法のみで経過を観察するケースが大半です。また、ピルの服用などでホルモンのバランスを調整することでこうした症状が改善することもあります。場合によっては、初期の子宮内膜症の存在を考慮して、Gn-RH作動薬を使用することもあります。また、月経過多症に用いられる子宮内黄体ホルモン放出システム(避妊リングの一種)であるミレーナも、月経痛の改善に 有効なことがあります。

 

 「機能性の月経過多症」ではホルモンの異常などの原因がないかを調べるために、基礎体温測定やホルモン検査などが必要です。出血量の調整には、止血剤やピルなどのホルモン剤の服用が有効ですが、場合によってはGn-RH作動薬を使用することもあります。また、平成26年より月経過多症に対して保険適用となったミレーナ(子宮内黄体ホルモン放出システム)も、有効です。

症状から考えられる婦人科疾患

避妊法について

不妊症について

4.帯下(おりもの)