麻生区 はるひ野 若葉台 稲城市 婦人科専門医 いばらきレディースクリニック

215-0036

川崎市麻生区はるひ野4-4-1

はるひ野メディカルヴィレッジ C棟2F

症状から考えられる婦人科疾患

Ibaraki Ladies' Clinic

6)下腹部の不快感、痛み

 「卵巣腫瘍」は初期には無症状のことが多く、突然に下腹痛などの症状で気付かれることがあります。卵巣腫瘍はかなり大きいものでも自覚症状の無いことも多く、また若年女性にも多い腫瘍のひとつです。下腹部の不快感や膨満感などのある方は一度婦人科の診察をお受けになることをおすすめします。

卵巣腫瘍で一番多いものは、いわゆる「卵巣嚢腫」です。これは卵巣に液体がたまった良性腫瘍のことです。貯留する液体成分は、漿液や粘液の他、子宮内膜症によって古い血液が貯留する「チョコレート嚢腫」や、卵子の細胞が腫瘍性の増殖をおこして卵巣の中に油のまじった液体や皮膚、毛髪、歯、骨などの組織が形成される「皮様嚢腫」などがあります。このような良性腫瘍と、「卵巣癌」との鑑別には、超音波やMRIといった画像診断法や血液検査による腫瘍マーカー測定などが有効です。

 

卵巣の良性腫瘍(卵巣嚢腫など)は、小さくて症状のないものであれば手術をせずに経過をみることが一般的です。手術適応になるのは悪性が疑われる場合、痛みなどの症状がある場合、大きさが鶏の玉子(5cm)をこえる場合などです。

 卵巣腫瘍の手術法はその切除範囲によって様々なバリエーションがありますが、良性腫瘍に関しては正常な組織を出来るだけ温存する術式を選択するのが原則です。悪性腫瘍では卵巣・卵管の摘出、病期に応じて子宮摘出やリンパ節郭清等の拡大手術、さらに術後の化学療法などの必要があります。

卵巣腫瘍の手術にはお腹を切開する開腹術と、腹腔鏡を使う方法があります。

腹腔鏡手術は、お腹に数箇所小さな孔を開けるだけで行う手術で、開腹術に比べて体への負担が軽く、術後の回復も早く、傷跡も目立たないというメリットがあります。

 

「卵管炎」や「骨盤腹膜炎」などの炎症疾患も下腹痛、下腹部不快感などの原因として重要です。特に最近は「クラミジア感染症」という性行為感染症が骨盤内炎症の原因菌として流行しています。診断にあたっては内診の他に、細菌学的な検査が重要になります。クラミジア感染の検査には、子宮頚部の細胞を綿棒で採取して病原体の有無を調べる方法や血液検査で抗体を測定する方法があります。治療には抗生物質が必要です。

「子宮内膜症」は月経痛や下腹部の鈍痛、性交痛、腰痛や排便痛、肛門・会陰部痛など様々な症状をひきおこします。子宮内膜症とは「子宮の内膜細胞が子宮の内腔以外の場所(腹膜など)で増殖する病気」で、重症になると骨盤全体が癒着をおこして固まってしまいます。近年20代の若年女性にも増加傾向にある疾患で、不妊症の原因としても重要です。内診や超音波、MRI検査、場合により腹腔鏡などの検査が必要となりますが、血中のCA125という物質の測定も診断の参考になります。治療は、Gn-RH作動薬」とよばれる薬を半年ほど使用して一時的に月経を止めてしまう方法(偽閉経療法)が一般的です。Gn-RH作動薬には毎日点鼻薬を使用する方法と、4週間に一度注射をする方法があります。副作用などでGn-RH作動薬が使えない患者さんにはダナゾールや、ジエノゲストという内服のホルモン剤を使用することもあります。

また、低用量ピルは内膜症の症状の緩和と病巣の縮小に効果的です。避妊目的のピルには保険がききませんが、内膜症の治療に関しては、保険適応のあるピルの製剤もあります。薬物療法で十分な効果が得られない場合には手術療法が必要となることがります。

「子宮筋腫」や「子宮腺筋症」などは月経痛をおこす疾患として重要ですが、月経時以外にも下腹部の不快感や腫瘤感などの原因となります。内診や超音波検査で診断されます。これらの疾患に関しては「1)月経痛が強い、月経の量が多い」の項を御参照下さい。

 

 上に挙げたような疾患以外に、月経周期と関連する腹部症状があります。たとえば排卵日には軽い下腹痛(「排卵痛」)がみられることがありますが、程度の軽いものであれば心配ありません。また、排卵後から月経までの間は下腹部の不快感などがおこりやすい時期です。こうした時期に様々な不定愁訴が起こる「月経前症候群」とよばれる疾患がありますが、これについては「8) 月経前に周期的におこる体調不良」をご覧ください。

 

なお、「流産」や「子宮外妊娠」などが腹痛の原因となっている可能性もあります。妊娠の可能性のある患者さんは必ず診察時におっしゃって下さい。

症状から考えられる婦人科疾患

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4.帯下(おりもの)