Ibaraki Ladies' Clinic
正常な月経とは周期が25〜38日、周期の変動が6日以内、持続が3〜7日とされています。
こうした規則的な月経周期がみられない状態が「月経不順」です。
月経は卵巣から分泌される性ホルモン(卵胞ホルモン、黄体ホルモン)の周期的な変動に
子宮内膜が反応して出血がおこる現象です。
卵巣からの性ホルモンの分泌は、脳下垂体から分泌される性腺刺激ホルモンによって調節されています。脳下垂体はさらに間脳の視床下部によってコントロールされています。このようなホルモンの調節機能の失調により月経不順は生じます。このうち最も多いものは視床下部のホルモン調節機能の失調です。
月経不順は様々な肉体的、精神的ストレスでも生じます。視床下部がこうしたストレスの影響を強くうけるからです。色々な薬を常用されている方は、そうした薬剤の影響で月経不順がおこることもあります。こうしたことが原因になっている場合には、その要因を取り除くだけで症状は改善します。
月経不順の患者さんで大切な検査は、基礎体温や血中のホルモン測定などです。少しくらい月経が不順でもこうした検査で問題がなければ、たいていは心配ありません。逆にこうした検査で異常がみられる場合には、治療が必要になります。ホルモンのバランスを調節する薬や、月経を調節するための性ホルモン剤、場合によっては排卵誘発剤などが処方されます。月経周期を調節したり性ホルモンを補充する目的には、ピルの服用が効果的です。
月経不順を放置すると、子宮体癌などの誘因になることもあります。また卵巣の機能が衰えている場合には、若い女性でも更年期障害のような症状がおこり、全身機能の「老化」が進みやすくなります。女性の健康は、月経が周期的に訪れてこそ正調に保たれるのです。