Ibaraki Ladies' Clinic
排尿時の不快感、痛み、残尿感、頻尿などは「膀胱炎」の症状です。抗生物質の内服などでたいていは
数日で完治しますが、慢性的にこうした症状がみられる場合には、糖尿病などの内科疾患や精神的な要因が関与
している場合もあります。また、間質性膀胱炎という抗生物質の効かない特殊な膀胱炎である場合もあります。
閉経後には加齢とともに骨盤の組織が緩んで子宮が下がってくることがあります。程度の軽いものを「子宮下垂」、強いものを「子宮脱」とよびます。子宮が下がると、膀胱や尿道もともに下垂するため、それにともなって尿の出が悪くなったり、漏れやすくなったりすることがあります。
子宮脱を根本的に治すためには手術が必要です。代表的な方法は膣から子宮を摘除して、緩んでいる膣の壁とその周りの組織を縫い縮めたり、さらに補強剤を用いて断端を吊り上げたりする手術です。また手術療法以外に、膣の中にリング状の装具(リングペッサリー)を挿入して子宮が下がるのをおさえておく方法もあります。手術を希望されない患者さんや合併症などで手術の出来ない患者さんには良い方法でしょう。
また、閉経期以後は、排尿をコントロールする筋肉の動きや神経の働きが鈍ってくるために尿が漏れる、尿のキレが悪い といった排尿トラブルがおこりやすくなってきます。
こうした症状に対しては薬剤療法も有効ですが、尿道の周りの筋肉を鍛える体操(骨盤底筋群体操)をすることも効果的です。